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- 学校法人ワタナベ学園におけるカスタマーハラスメントへの対応に関する基本方針
1 基本方針作成の背景
令和元年6月、労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止の為に、雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。
この改正を踏まえ、令和2年1月に、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用契約上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)が策定され、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な請求等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取り組みを行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取り組みを行うことが有効である旨が定められました。
学校法人ワタナベ学園では、教職員一人ひとりが穏やかな状態で教育・保育に専念できること、保護者様や地域の方と気持ちの良いコミュニケーションを図っていくことが、子どもたちの最善の利益につながるものと考えております。また、教職員の人権が守られ、心身ともに健康で安心して働ける環境を整えることで、カスタマーハラスメントへの対応に悩まされることなく、子どもたちと向き合うことに専念でき、教育・保育の質をさらに向上できるものと考えております。
そこで、本学園では、保護者様からの限度を超えたクレームから教職員を守り、正常な業務運営を維持するための対応策として、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」を下記のとおり策定することといたしました。
2 カスタマーハラスメントの定義
改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が定義するハラスメントの定義を参考に、以下のような内容を想定しております。
身体的、精神的な攻撃
- 胸をつかむ、殴る、蹴る、物を投げつける等の暴力行為
- セクシャルハラスメントに該当する言動
- 侮辱的な発言や差別的な発言等、人格否定につながる行為
- 威圧的・脅迫的な言動
- 恫喝・罵声・暴言・土下座の要求等の言動
- マスコミやSNS等への暴露や反社会的勢力とのつながりをほのめかした脅し
プライバシーの侵害や、名誉毀損にあたる言動
- 教職員のプライバシーを侵害する行為
- 教職員を無断で撮影、録画、録音する行為
- SNS等への本学園や教職員の信用を棄損させる内容の投稿
拘束的な言動
- 電話や対面での長時間の拘束
- 施設からの不退去や不当な居座り
正当な理由のない要求
- 正当な理由のないサービス、金銭、特別扱いの要求
- 正当な理由のない謝罪の要求
- 正当な理由のない教職員の自宅等への訪問や業務時間外の対応を求める行為
- 教育・保育方針等に関して不当な圧力をかける行為
その他不適切な言動
- 職員を保護する観点から悪質性が高いと判断する言動
※上記はあくまで一例ですが、このような事象がみられた場合、本学園として十分な教育・保育の提供が困難となり、場合によっては退園をお願いする場合があります。
3 カスタマーハラスメントへの対応
ハラスメントとみられるような事象が発生した場合に備えて、その事象がハラスメントにあたるかどうかを判断するための相談窓口を設置し、ハラスメントに適正かつ迅速に対応するために外部機関(市役所担当窓口・弁護士・警察等)との連携を強めていきます。
園外への対応
カスタマーハラスメントが認められた場合は、教職員を守るため毅然とした対応を行い、必要により教育・保育の提供や対応を中止します。更に、悪質なものや犯罪行為と判断した場合は、警察・弁護士等と連携し法的措置等も含め厳正に対応します。
園内への対応
- カスタマーハラスメントから教職員を守るため、カスタマーハラスメント発生時に職場として適切な判断や対応ができる体制を構築するとともに、教職員が相談できる仕組みを整備します。
- カスタマーハラスメントへの対応方法や手順等を定め、教職員に必要な教育を行います。
- カスタマーハラスメントを受けた教職員の心身両面のケアに努めるとともに、再発防止に取り組みます。
- 自らが保護者様にハラスメントを行うことの無いよう教職員に啓発を行います。
最後に
子どもたちの健全な発育のためには、保護者様のご理解・ご協力が不可欠です。
今回、方針を作成し公表させていただいたのは、カスタマーハラスメントに対しての対策のみを目的としたものではなく、子どもたち・保護者様・地域の方との信頼関係を築き、心地良いコミュニケーションを通して、教育・保育の質を高めることを目的としています。本学園では、子どもたち一人ひとりに合わせた教育・保育を心がけておりますが、時には行き届かないこともあるかと思います。
このような場合、保護者様におかれましては、温かく子どもたちを見守り頂くと同時に、本学園での教育・保育内容のフィードバック等にもご協力を頂けますと幸いです。
子どもたちの育ちに関わるご意見や苦情はハラスメントに当たるとは思いません。今後も教職員一同、保護者様、地域の方と連携を図り、子どもたちに質の高い教育・保育を提供出来るよう尽力して参ります。
ご理解・ご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
附則
この指針は、令和7年9月1日より施行する。